偶 成ぐうせい
伊藤 博文
天保十二(1841)〜明治四十二(1909)

豪気堂堂横大空

日東誰使帝威隆

高樓傾盡三杯酒

天下英雄在眼中
ごう 堂々大空どうどうたいくうよこ わる
日東誰につとうたれてい をしてさかん ならしむ
高楼こうろう かたむつく三杯さんばいさけ
てん 英雄眼えいゆうがん ちゅう

我が輩の意気はまことに堂々たるがあり、大空一面にはびこるほどである。
陛下の御稜威をいや高く世界に輝 かし奉るべきものは臣博文を措いて誰があろうか。
今この高楼において三杯の酒を傾けると、元気は更に横溢して古今天下の英雄は皆わが眼中に入ってしまうの である。