ぐう  かん
西郷 南州
文政十 (1827) 〜 明治十 (1877)

幾歴辛酸志始堅

丈夫玉砕愧甎全

我家遺法人知否

不為兒孫買美田
幾度いくたび辛酸しんさんこころざし はじ めてかた
じょう 玉砕ぎょくさい するも甎全せんぜん
わが ほう ひと るやいな
そんため でん わず

何度か辛苦艱難を重ねて始めて意志が堅くなり、不撓不屈の精神が宿るのである。
男子は、たとえ玉として砕けてしまう結果となっても、瓦として命を永らえることを恥じなければいけない。
わが家には、代々守るべき遺法のあることをおまえたちは知ってはいないだろうが、それは児孫のために立派な田畑などの財産を残すことをしないということである。