明月は川の流れをくまなく照らし、秋気は天に満ちて澄みわたり、空と見分けのつかぬ色の大河の水は、遠く流れて天に接しているようである。 夜半に酒の酔いも醒めて気付いてみると、あたりに人影一つ見えない。 ただ秋風がそよそよと荻や蘆のしげる洲を吹いているのみである。