柳の枝を避けて飛び交う螢の光が明滅しながら清らかな水に映って美しい。 風もなく、月も姿を見せないこの夜更けである。 一匹の螢が、とつぜん柳の枝にふれ、あやまって川の波間に落ちたが、やはりそのままの光を明滅させている。