(通 釈) 昨日まで非とする立場にいた者が、今日には是とする立場にいる。こんな節操の無い態度ではどうぢようもない。 世の中の人こぞって、道義の尊さを知っているではないか。繰り返し繰り返し吟ずべきは、古人の句である。 「太陽と月とを天空に並べて懸け、天地を照らすのだ」 と。
○昨==昨日。 ○非==あやまり。あやまち。 ○今==今日。 ○是==正しい。 ○何論==何を論じようか。論ずるまでもない。問題にならない。どうしようもない。 ○挙世==国民一致して。 ○道義==人の守るべき道。 ○三復==三度繰り返して。転じて何度も。 ○日月==太陽と月と。ここでは摂政宮裕仁新王と久邇宮良子女王とを指したもの。 ○乾坤==天地。 ○結句 「日月を双び懸けて乾坤を照らす」 は李白の 「上皇西のかた南京を巡る歌」 其の十の結句をそのまま取ったもの。