○淡靄==うすもや。軽靄ともいう。
○雨後天==雨上がりの空。
○閑遊==のんびりと遊ぶ。あてもなくふらりふらりと遊歩すること。
○於我==私にとって。閑遊を楽しもうとする作者にとって、待たずに花が散る無風流を嘆いて “於我” と強調した。
○軽薄==考えがあさはかで、誠が無い事。
○飛絮==風に舞う柳のわた。
○比人==人に比べて。人は風流人。風騒の人。
○尤==とりわけ、ほかと違って
○放顛==自由奔放できちがいじみている。風狂なさまをいう。
○漸==だんだんと、少しずつ
○到平==平明なものになる。老境に至るに従い、平明淡白な詩風に移り行くことを言う。
○因愛淡==平明な詩境に至ったのは淡白を愛する事が原因である。
○聊==わずかばかり。前句の漸に対していった。
○添年==年を加える。年を重ねる。
○近来==近頃。この頃。
○自覚==我が身を以って知覚する。身を以って老境を感じ取る。
○春無味==春に興味を感じない。老境に到り淡白を好み、華やかな春に味覚を得られなくなったことをいう。
○一酔==ひとたび酔うと
○昏々==うとうと気分がぼんやりとしたさま。酔って朦朧となったさま。
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