樹木のあおあおと茂った山が、白雲のあたりにそびえている。 それを眼前にしながらかすかに聞こえてくるこびき の歌を聞いていると、もう俗世間のわずらわしさなど忘れて、心は充分に満ち足りている。 別に管弦の楽しみなど を必要とせず、静寂の地にすむ鳥たちも満足して、あおい苔の生えた岩の前で、ひっそりとよく眠っているようだ 、いまの私のように。