互いに固く縛り合って薩摩の海に飛び込んだが、あの時は死なばもろともという覚悟で身を投げたのだったがわ が身だけが何の縁があってか生き残ってしまった。 思いをめぐらせばそれもはや十七年の昔の夢と化した。今日空しく幽明境を異にして君の墓前に慟哭し、君の 菩提を弔うとは、さても残念の限りである。